
COLUMN コラム
高年齢者雇用確保措置の経過措置の終了(令和7年3月31日)
□□高年齢者雇用確保措置
高年齢者が少なくとも年金受給開始年齢までは意欲と能力に応じて働き続けられる環境の整備を目的として、平成24年4月1日に「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」の一部が改正されました。
具体的には、次のいずれかの措置を講じる必要がございます。
・定年制の廃止
・65歳までの定年の引き上げ
・希望者全員の65歳までの継続雇用制度の導入
■経過措置
上記の改正について、経過措置として、平成24年度までに労使協定を締結することにより、『継続雇用制度の対象者を限定する基準』を設けることができました。
この経過措置により、老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢以上の年齢の者について継続雇用制度の対象者を限定する基準を定めることが認められています。
□□経過措置の終了
しかし、この経過措置は令和7年3月31日をもって終了します。そのため、経過措置により対象者を限定する基準を設けていた場合、令和7年4月1日以降は、原則通り「希望者全員」を継続雇用制度の対象にしなければなりません。
厚生労働省リーフレット:https://www.mhlw.go.jp/content/11700000/001244075.pdf
※継続雇用制度の対象者について、年齢による基準を終了するだけでなく、「過去○年間の出勤率が○%以上の者」、「直近の健康診断の結果、業務遂行に問題がないこと」等の基準も終了します。
※経過措置の終了によって、令和7年4月1日以降、65歳までの定年の引き上げが義務になるわけではありません。
■今後の対応
経過措置による基準を就業規則に規定していた場合には、経過措置終了後には「希望者全員を65歳まで継続雇用する」という旨の規定に変更する必要があります。
以上
社会保険労務士法人味園事務所
代表社員所長 味園 公一
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