COLUMN コラム
【第1回】施行まで半年きりました!日本版DBS法が施行されます──まず「うちは対象?」を確認しましょう
こんにちは、社会保険労務士法人味園事務所の味園裕也です!
令和8年12月25日、「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律(令和6年法律第69号。以下「法」といいます。)」、いわゆる「こども性暴力防止法(日本版DBS)」がいよいよ施行されます。この法律は、子どもに関わる業務に就く従事者に対し、事業者が国を通じて性犯罪前歴の有無を確認することを義務付けるものです。
「聞いたことはあるけれど、詳しくは知らない」「そもそもうちは対象なの?」という人事担当者の方が多いかと存じます。
今回は全3回の連載の第1回として、法律の全体像と対象事業者の確認方法をお伝えします。
この法律が目指すもの
教育・保育等の現場では、指導者がこどもに対して支配的・優越的な立場に立ち、保護者の監視がない状況で、こどもと密接に関わる
場面が多くあります。こうした特殊な社会的関係があるからこそ、こどもへの性暴力等の被害発生に特別の注意を払う必要があります。
法の目的(法第1条)は明快です。こどもへの性暴力等は「個人の尊厳を著しく傷つける行為」であり、その影響は生涯にわたり得ます。だからこそ、こどもに関わる事業者が従事者の性犯罪前歴を確認する仕組みを国として整備し、こどもの心身の健全な発達に寄与することを目的としています。
「うちは対象?」──2種類の事業者に整理されています
対象となる事業者は大きく2種類に分かれます。
まず「学校設置者等(法第2条第3項)」です。こちらは義務対象であり、学校(幼稚園・小中高等)、認定こども園、認可保育所、
児童福祉施設(児童養護施設・障害児入所施設等)、指定障害児通所支援事業などを運営する事業者が該当します。公立・私立を問いません。
次に「民間教育保育等事業者(法第2条第5項)」です。学習塾、スポーツクラブ、音楽教室、認可外保育施設など、いわゆる民間の教育・保育サービスを提供する事業者がここに含まれます。こちらは義務ではなく「認定制度(法第19条・第21条)」への申請という形をとりますが、認定を受けた事業者は学校設置者等と同等の義務を負います。
「民間は任意だから関係ない」と思われるかもしれませんが、認定を受けることで保護者への信頼性アピールや競合との差別化に
つながることを考えると、認定申請を検討しておいて損はないかと存じます。
「誰に」確認が必要なのか──対象従事者の範囲
確認義務の対象となるのは、学校設置者等における「教員等(法第2条第4項)」と、認定事業者等における「教育保育等従事者
(法第2条第6項)」です。教員・保育士・学童指導員のほか、送迎バスの運転手や一部の事務職員であっても「こどもと直接関わる業務を行う者」が幅広く含まれます。正規・非正規・派遣・業務委託を問わず、実態として閉鎖的な環境等でこどもに接する業務を行っている者はすべて対象です。
「うちはこどもに関係する事業を一部だけやっている」という場合でも、その部分の業務に従事する者は対象となります。まずは自社の業務内容を棚卸しし、対象業務・対象従事者を正確に把握することが肝要です。
確認の対象となる犯罪とは
確認の対象となる犯罪(特定性犯罪。法第2条第7項)は、刑法上の不同意性交等罪・不同意わいせつ罪・痴漢・盗撮等の性犯罪の
ほか、児童買春・児童ポルノ法違反なども含む幅広いものです。「特定性犯罪事実該当者」とは、拘禁刑については執行終了等から
20年、執行猶予については裁判確定日から10年、罰金刑については執行終了等から10年を経過していない者を指します。
次回予告
次回(第2回)は、この法律の核心である「犯罪事実確認」の実務手続き、つまり「いつ・どうやって・何を確認するのか」と、
急な採用や在籍職員への対応スケジュールを解説します。
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【出典・参考】
こども性暴力防止法施行ガイドライン 令和8年1月 こども家庭庁
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/80127231-8582-476e-a6e7-9347e725ed96/3414a8af/20260210_policies_child-safety_efforts_koseibouhou_42.pdf
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