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東京の労働行政Profile2024

今年も恒例の東京労働局労働基準部、雇用環境・均等部と、東京都社会保険労務士会との意見交換会に参加してまいりました。「東京の労働行政Profile2024」(以下URL参照)にて掲げる令和6年度の東京労働局行政運営方針は「安心して働き活躍できるTOKYOへ」だそうです。
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/001790746.pdf

 

■■■令和6年度の重点施策

今年度の重点施策は、次の4つです。
① 最低賃金・賃金引上げに向けた支援、非正規雇用労働者の処遇改善等
② リ・スキリング、労働移動の円滑化の推進
③ 多様な人材の活躍と魅力ある職場づくり
④ 労働保険制度の適正な運営

以下にその概要(抜粋)を記していきます。

 

□□最低賃金・賃金引上げに向けた支援、非正規雇用労働者の処遇改善等

物価高の影響を受け、賃金引き上げの傾向が続いています。中小企業・小規模事業者においては、賃上げや最低賃金の引き上げへの対応が大きな負担となっているという話を耳にします。賃金引き上げに向けて、以下のような支援を行っていくとのことです。

 

■中小企業・小規模事業者の生産性向上に向けた支援の強化

最低賃金の引上げに向けた環境整備を図るための「事業場内最低賃金の引上げ」を図る中小企業・小規模事業者の生産性向上に向けた支援として、「業務改善助成金」の活用勧奨を図っていくとのことです。

 

■最低賃金制度の適切な運営

令和5年度の最低賃金について、全国加重平均が1,000円を超えたことが話題となりました。賃金引き上げを検討される際は、「賃金引き上げ特設ページ(以下URL参照)」にて、地域・業種・職種ごとの賃金水準や賃金引き上げ取組事例が紹介されていますので、有効活用してみましょう。
https://pc.saiteichingin.info/chingin/

 

■労働基準監督署と連携した同一労働同一賃金の遵守の徹底

労働基準監督署による監督指導において、「同一労働同一賃金」について確認し、待遇の状況を把握した後、不合理な待遇差の解消に向けた指導を行うとのことです。

同一労働同一賃金への対応と同時期にコロナ禍の影響を受けたことにより、同一労働同一賃金への対応や理解が不十分なままの事業場もある中、最近ではコロナ禍の収束と物価高の影響による賃上げが多く見受けられます。そこで、賃上げ等に伴い、正規社員と非正規社員との間で不合理な待遇差が生じていないか、今一度確認しておきましょう。

 

■非正規雇用労働者の処遇改善・正社員化を行う企業への支援

「年収の壁・支援強化パッケージ」「キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)」を引き続き周知することにより、非正規雇用労働者の処遇改善や正社員化、「年収の壁」を意識せず働くことのできる環境づくりを後押しするとのことです。

 

□□多様な人材の活躍と魅力ある職場づくり

人手不足が騒がれるところ、フリーランス、育児離職中の者、高年齢者、外国人、障害者等、多様な人材の活用が喫緊の課題となっています。多様な人材に活躍してもらうための「魅力ある職場づくり」への支援として、以下のような取り組みを行っていくとのことです。

 

■フリーランスの就業環境の整備

フリーランス・事業者間取引適正化等法の施行(令和6年11月頃予定)に向けて、周知啓発が行われます。この法律では、フリーランスが安心して働ける環境を整備するため、「書面等による取引条件の明示」、「禁止事項」、「育児介護等との両立への配慮」や「中途解約の事前予告」等について規定されます。

なお、フリーランスからの「発注者等との契約等に関するトラブルについての相談」については、厚生労働省等が設置した「フリーランス・トラブル110番(以下URL参照)」を活用してみましょう。
https://freelance110.jp/

 

■仕事と育児・介護の両立支援

「産後パパ育休」をはじめとする育児・介護休業法に基づく両立支援制度について、労働者が円滑に利用できるよう周知徹底を図るとともに、両立支援等助成金の支給を通じて事業主を支援するとのことです。

また、今後予定されている雇用保険法の改正(出生後休業支援給付や育児時短就業給付の創設等)及び育児介護休業法の改正(子の看護休暇制度の拡充や柔軟な働き方を実現するための措置の義務化等)を通じて、仕事と育児を行う方々に対して、より一層の支援がされることでしょう。

 

■ハラスメント防止対策

職場のパワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、妊娠・出産・育児休業等のハラスメント防止措置を講じていない事業主に対し、是正指導を行うとのことです。また、近年増加している「カスタマーハラスメント」に対しても、自主的な取組を促すとのことです。

 

■長時間労働の抑制

時間外・休日労働時間数が1か月当たり80時間を超えていると考えられる事業場や長時間にわたる過度な労働による過労死等に係る労災請求が行われた事業場に対する監督指導が強化されるとのことです。

また、建設事業や自動車運転業務については、猶予されていた時間外労働の上限規制が令和6年4月より適用され、より一層長時間労働の抑制に向けた取り組みが実施されると考えられます。

 

■労災保険給付の迅速・公正な処理

令和5年9月の「心理的負荷による精神障害の認定基準」改正により、認定基準となる心理的負荷評価表の具体的出来事にパワーハラスメントやカスタマーハラスメントが追加されています。
近年増加している「精神障害」や「脳・心臓疾患」等に係る労災請求について、「認定基準」に基づいた迅速処理に努めるとのことです。

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